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『ドニー・マクラーキン ストーリー 暗闇から光へ

 
  ドニー・マクラーキン 著
  岡本尚央子 訳
  いのちのことば社
  2006年5月15日
  価格:1,600円 (without tax)


 心の深い傷を乗り越えて、2度のグラミー賞に輝いたゴスペル・シンガーが贈る励ましのメッセージ
 

  ゴスペル・シンガーとして有名な牧師が、自らの暗い過去を語る。その悲惨な機能不全の家庭の中から、どうやって這い上がり、立ち直っていったかの体験に基づいて、読者に励ましを与える語りかけの本。
  彼の過去の悲惨のなかでも、おじから強要された同性愛行為の占める部分は多いようです。したがって、彼がそこから立ち直ってゆく、ということは、つまり「同性愛を克服する」ということになる。同性愛は神が与えた人間の性のあり方とは違うのではないか、という見解も公にしています。
  しかし、「神が自分を同性愛者に造られたのだと信じ、自分の性的志向に満足している人もいる。私のアドバイスはそういう人に向けてのものではない。だが、同性愛者としてのライフスタイルや欲望を不本意に思い、解放され自由になりたいと思っている人も数え切れないほどいるということを、どうか分かってほしい」(p.52-53)という言葉でバランスを取っているようです。同性愛を生まれつきのものだと思い、それが本来の自分の姿であると思っている人のことは裁いて否定はしていないようです。

  原題名は『Eternal Victim / Eternal Victor』(永遠の犠牲者か、永遠の勝利者か)。
  機能不全家庭としての問題のない家庭はほとんどないといっていいでしょう。その家庭の中でいちばんの弱者である子どもは、その家庭の機能不全の犠牲者となり、その心の傷をしっかりと癒そうとし、じっさいに癒してゆかないと、機能不全はその子が大きくなって結婚したときに、次の世代に転嫁されてしまいます。それを防ぐために、これ以上犠牲者を出さないためにも、自分が変えられることを経験しなければならない。虐待の犠牲は自分の世代で終わらせることが必要になるのです。
  自分を永久に犠牲者にしておくのではなく、自分の過去の傷に対して、大いなる勝利をおさめるためにはどうすればいいのか。
  そのことを、自らの体験をベースに、懸命に説得してくる本でした。読みやすさもイチオシです。オススメします

 〔追記〕……訳者の岡本尚央子さんは、三十番地キリスト教会談話室のメンバーでもあります。
        著者ドニー・マクラーキン氏への感想も英訳してもらえます。
        くわしくは、「翻訳者によるサポート・ページ」(http://d.hatena.ne.jp/as_the_deer/)まで。
  (2006年5月23日記)

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