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『モラル・ハラスメント 人を傷つけずにはいられない』

 
  マリー=フランス・イルゴイエンヌ 著
  高野 優 訳
  紀伊国屋書店
  1999年12月20日
  価格:単行本2,200円 (without tax)

 夫婦、恋人、職場の人間関係で苦しむ人必読の書です。
 

 夫婦や恋人関係における家庭内暴力(それが物理的暴力であれ、精神的虐待であれ)、職場におけるパワー・ハラスメント、あるいは学校におけるいじめ、そして、あえてここでキリスト教に関する世界で言えば、教会における牧師や役員などによる精神的暴力に悩む人は、必読の書と言えるでしょう。
 被害者として苦しんでいる人も、加害者として心当たりのある人も読むべき本だと思います。

 ただ、当然かも知れませんが、この本は被害者をいかに救出して、安全な場所に導き、そして傷を癒し立ち直りを援助するかを中心に書かれている、つまり被害者中心主義の本ですから、加害者がいかにして自分を変えてゆけるのかについては一切書かれてはいませんので、そこは注意してください。
 加害者として思い当たる方は、この本を読んだ上で、さらに自分自身の傷をどう癒し、いかに人を傷つけない人になるかは、また更なる学びと気づきを必要とします。

 また、この本は長いです。読むのに時間がかかります。しかし、それだけ具体的な例証に富んでおり、非常にていねいにわかりやすく、いじめる側といじめられる側の心の状態について説明してありますので、時間がかかっても、読む価値があります。

 日本社会は夫婦関係、職場、学校を問わず、あらゆる形のいじめに満ちていますから、そんな日本社会を生き抜き、また少しでも身近なところから啓発、改善してゆくためには必要な学びとして、この本を読むことは有効でしょう。多くの人に読んでいただきたい本です。
 (2012年3月5日記)

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