金井 創 著
みなも書房 2019年4月10日
価格:1,500円 (+税)
いま沖縄で何が起こっているのか。キリスト者としてどうあるべきなのか。
沖縄・辺野古の新基地建設を止める抗議船「不屈」の船長で日本基督教団牧師の金井創さんが書かれた辺野古からの報告書です。金井さんから京都の西が丘教会へと2015年以来毎月送られた『沖縄からの便り』を単行本化したものです。
読み進めるたびに、私たちが知っている沖縄の青い海、白い空、心を癒す波音、そして美しいサンゴ礁といった沖縄のイメージは、現在急速に新基地の建設のために破壊され続けており、反対する人々のカヌーや抗議船は海上保安官に取り押さえられ、乗り込まれ、暴力を受け、ひどい目に遭っている。その現状が生々しく伝わってきます。
正直いって、楽しいばかりの本ではありません。むしろ重い重い現実の連続に、こちらの心も重くなって、読み進めるのが憂鬱になります。しかし、それだけに「自分の沖縄の現状への認識は甘かったなあ」と思わされるのです。現地に暮らしている人たちの恐怖や被害、危機感はそんなもんじゃないんだと思わされます。
巻末には「不屈」からの(実況中継のような)便りとは別に、牧師としての金井さんによるエッセイも収録されています。こちらは心優しい金井さんの愛に溢れた、しかし平和を造り出す者としての覚悟に満ちた決意文ともなっており、私たち自身の平和への決意を質す勢いを持っています。
「私はここまで不退転の覚悟で平和を造ろうとしているだろうか?」あるいは「私はたとえ辺野古から離れていても、自分にできることを妥協なく、愛を込めて、自分にできることを徹底的に行うことができているだろうか?」と問いかけてくる本でした。どうぞお読みください。お勧めいたします。
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