石川 明人 著
ちくま新書 2019年
価格:900円 (+税)
日本人はなぜキリスト教を信じられないのか。歴史と信仰への問いから、素朴な疑問に真摯に取り組んでゆきます。
「日本人はなぜキリスト教を信じられないのか」「信仰とは、また宣教とはいったい何なのか」といった疑問は、日本に住み、日本人にキリスト教の良さを伝えたいと思っている人なら、おそらくかならず一度は心に抱くのではないかと思います。
その疑問に対し、日本へのキリスト教伝来から始めて、近現代に至るまでの宣教の歴史を辿り、正面から見つめ直そうとした非常に良い本だと感じました。
特に、日本のクリスチャンは迫害の被害者として自分たちを捉えがちですが、本当にそうとばかり言い切れるのかという検証しているところ。また、「なぜ『キリスト教』という名称であり『キリスト道』ではないのか」、「宣教と伝道はどう違うのか」、「信じることとは本当に疑いを差し挟むことなく信じ込むことなのか」等々といった、私たちがふと心に抱いては打ち消したり忘れたりするような疑問をひとつひとつ丁寧にとりあげているところに、とても好感を抱きました。
「なぜ日本人はキリスト教を信じられないのか」という問いについては、阿満利麿『日本人はなぜ無宗教なのか』(ちくま新書)と合わせてお読みになると、さらに理解が深まると思います。
というわけで、この本、一読の価値あり。おススメいたします。
(2019年8月7日記)
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