どう読むか、新約聖書 福音の中心を求めて | |||
青野太潮 著 ヨベル新書 2020年12月25日 初版 価格:1,100円 (+税) かゆい所に手が届く新約学。聖書学の常識は教会の非常識です。 とても面白い本です。 新約聖書に書かれている物語や教えの中で、「?」と誰もが思うようないくつものテーマに、青野太潮先生が、かゆい所に手を届かせるように取り組んでくださっています。 青野先生は、「私はよく『キリスト教の常識に挑戦しておられるのですね』と言われますが、私はいつも常識的なことを述べてきたつもりです」といったことを他のご著書でもおっしゃっています。 確かにそのとおりで、これは聖書の翻訳においても同じことが言えますが、研究者の真摯な努力の結果得られた知見が、教会においては「新しい知見を知らせると、信徒が混乱するから」といったような理由でブロックされてしまう、ということがよく起こっているのです。 「教会の常識は神学の非常識、神学の常識は教会の非常識」と、ややクリスチャンは自嘲気味に言うことがありますが、その壁を打ち破ろうとする、気持ちのいい本です。 内容的には、これまでの青野先生のご著書においても何度も語られてきた「十字架につけられたままのキリスト」をめぐるパウロ神学、処女降誕物語の読み直し、贖罪論と復活論の見直し、そしてイエスとパウロがどのように連続しているのかといったテーマに至るまで、新約聖書における重要課題が見事に列挙されています。 東京バプテスト神学校での連続講義が土台にある内容なので、若干初学者には難しいところもないわけではありませんが、読めば確実に皆さんの聖書の読みが深くなり、俄然楽しくなります、 というわけで、この本、オススメです ちなみにこの本は、イクトゥス・ラボのZoomによるオンライン読書会(シーズン4―2021年3月1日(月)から)の課題図書です。 読書会にご関心をお持ちの方は、メールでお知らせください。 (2021年2月14日(日)記) |
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