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 Q. 聖書って、どうやって処分するんですか?

 質問者 「結婚式で兄がおみやげにって聖書をもらってきたんですけど、捨てたらバチが当たりますか?」
 牧師  「いいじゃない、捨てたりしなくても。家に一冊ぐらい聖書を置いておきなさいよ」
 質問者 「でも、聖書科の授業で学校で買わされたのが1冊あるから、もういいんです」
 牧師  「……(絶句)」 

(2001年1月に受けた質問より)

 A. 処分するくらいだったら、私にください。

 聖書を捨てたからって、バチなんか当たりませんよ。
 でもやっぱり一家に2冊くらい置いてても、あるいは一人1冊くらい持ってても、それこそバチは当たらないんじゃないでしょうか。
 別に聖書を道端に捨てても、ゴミ箱に捨てても、バチなんか当たりません。ただ、神さまは泣いておられるでしょうね、たぶん。そしてぼくもそれを見たら泣きたくなりますね。

 聖書は、ただの本に見えるかもしれませんが、何千年もの歴史を通して、多くの人に慰めを与え、生きる支えを指し示し、救いの証拠を証言してきた、そして今も証言しつづけている書物です。また、この本自体が、命を賭けて書き記され、守り伝えられてきた、重い歴史を持っています。ある人に言わせれば、聖書は人類最高の文化遺産のひとつです。

 聖書を心の支えにしている人にとっては、聖書は特別な本だし、聖書を送るということは、大切な心を送るようなものなのですね。
 「聖書は神さまからの手紙」と言う人もいますが、「聖書を送られる」ということは、神さまからの手紙を、プレゼントしてくれた人経由でもらうということなのかも知れません。
 人からもらった手紙の場合、読まずに捨てるでしょうか? 書いた人、送った人の気持ちを考えたら、捨てられないでしょう? もし捨てられたことを知ったなら、送り手は泣きますよね。
 聖書を捨てなければならない理由がある(弾圧されるとか?)というわけでないのなら、悪い事は言いませんから、置いておいたらいかがでしょう? 置いていたからといって何の役に立つというわけでもありませんが、特に損をするというわけでもないでしょう。

 それでも、どうしても処分する必要に迫られているのなら、私にください。
 あるいはもよりの教会に持ってゆくのもいいでしょう。古本屋でもかまいません。とにかく捨てないでほしいですね。(2001年1月26日記、2007年12月24日一部改訂)

〔補足〕
 日本聖書協会は2003年7月〜10月末日、「教会備え付け聖書 リフレッシュ・キャンペーン」を実施するそうです。
 これは原則的に教会備え付けの聖書の交換キャンペーンで、新品の備え付け聖書の購入と引き換えに、不要になった聖書を引き取ってくれるものです。引き取られた聖書は、再生紙として生まれ変わるそうです。
 原則的の聖書の古本回収だけをするサービスではありませんが、どうしても聖書を家に置いておくスペースがない、という方は、教会に持って行って相談にのってもらえる場合もあると思います。
 ご参考まで。(2003年7月15日記)

〔追記〕
 聖書を教会に引き取ってもらうにしても、教会の牧師なり、神父に事情を話したりするのもいやだし、非難されてもいやだし、そんな人じゃなかったとしても、やはり聖書を棄てたいということを口に出して教会の人に言うのは気が引ける、という方もいらっしゃるでしょう。
 そういう場合は、「赤ちゃんポスト」ではありませんが、それと似たような気持ちで、人気のない時間帯に、教会の玄関前に置いておく、ということでいいんじゃないかと思います。
 ただ、そういう場合でも、きちんと包んで雨に濡れたりしないようにし、中に聖書が包まれていることを明記して、この荷物が怪しいものではないことをわかるようにした上で、教会の前にそっと置いてくださいね。その聖書は、あなたの手元を離れても、誰か別の人の手に渡り、旅をするようになるかも知れません。いわゆる「ブック・クロッシング(book crossing)」の発想に似てますね。あなたにとっては手放したい本であっても、ほかの人が手にとって使うかも知れません。だから、大事に扱って、聖書を旅立たせてほしいのです。
 どうぞよろしくお願いいたします。
(2007年12月24日記)
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〔最終更新日:2007年12月24日〕

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