「下世話なＱ＆Ａ」の入口に戻る
訪問者「あのう……、つかぬことをおうかがいしますが……」
牧師 「はい、なんでしょう？」
訪問者「こちらの教会でお葬式をしようと思ったら、大体おいくら位からあげていただけるんでしょうか？」
牧師 「え？ お葬式ですか？ どなたの？」
訪問者「いや、変な話かも知れませんが、今老人ホームに入っているわたしの母が、お葬式は教会で、って突然言い出したんです。教会になんか行ったことがなかったような人なんですけど、昔あこがれたことがあったんでしょうかねぇ」
牧師 「はぁそうですか。それこそ、つかぬことをおうかがいしますが、もうご危篤であられるとか？」
訪問者「いえ、そうではないんですけどね。先週、廊下で転んで腰の骨にヒビが入ってから、なんだか気弱になってしまったみたいで、最近そういうことを言い出すようになったんですよ」
牧師 「そうですか……。もう少しお母さんのお話を聞いてみたいような気もしますねぇ。こちらからおうかがいして、お話をさせてもらってもよろしいでしょうか」
（昔、ふと受けた質問をもとに会話を創作してみました）
結婚式の場合も同様ですが、教会によってかなり違います。
牧師への謝礼に５万円、１０万円、あるいはそれ以上の場合もありますし、オルガニスト（オルガンを弾いて、賛美歌などの奏楽をしてくださる方）への謝礼も、１万円、３万円……、やはりまちまちですね。
規程をきちんと決めていないような教会もあります。その場合は交渉によって決まったりするわけですが、実に教会によってさまざまです。同じ教団に属している教会でも、一定しているとは限りません。
じっさいにその教会の牧師を訪問するなり、電話をするなりして、聞いて確かめてみるほうがいいでしょう。
結婚式と違って、お葬式の場合は、葬儀社に支払う費用のほうがかかります。
結婚式の場合は、式そのものを牧師が取り仕切り、教会の人びとが手伝ってくれるような状態でも行えますが（それでも教会の力だけで式からパーティまで行うのは大変な労力ですが）、葬儀ということになると、棺（ひつぎ）の手配、花の手配、祭壇の設置、弔問客の受付や誘導整理、霊柩車の手配、火葬場の手配などなど……、結婚式よりもはるかに複雑を極めますので、専門の葬儀屋さんにお願いする部分がほとんどなのです。
キリスト教式の葬儀をやってくれる葬儀社は、電話帳などで探せば見つかります。近畿地方に関して言うと、有限会社「イースター式典社」という会社があり、よく利用されています。他にも、「（地域名）」と「キリスト教葬儀」というキーワードでネットでサーチをかけるだけで、かなりの数の業者が見つかります。
内容を打ち合わせして見積もりを取ってみなければわかりませんが、５０万円くらいから５００万円近くまで、かかる費用はピンキリです。
また、教会によっては、誰の葬式でもしてくれるというわけにはいかない場合もあります。
これは結婚式の場合も同様ですが、その教会の教会員自身、あるいは教会員の家族・親族の場合はスムースに「教会で行いましょう」ということになるでしょうが、それ以外の人の場合、事情によって牧師が話を聞いて「教会でお葬式をあげましょう」と判断した場合や、役員会で承認した場合をのぞいて、いわゆる「通りすがりの一見（いちげん）さん」が教会で葬儀をあげるのは、まず難しいのではないでしょうか。
こういうことは、「縁起でもない」と思われるかもしれませんが、いざ人が亡くなってからということでは手遅れになることもありえますから、そうならないうちに、「もし私が（あるいは家族が）亡くなったら、この教会で葬儀をしたいのですが……」と牧師に相談しておいたほうがよいと思います。
最近では、人間のお葬式だけでなく、ペットのお葬式の要望もあるそうですね。「ペットロス」という問題も、カウンセリングの世界では重視されているようで、人間同様、あるいは人間以上に精神的に支えになってくれ、心を癒してくれていたペットが亡くなる、ということは、とても大きな喪失体験なのですね。
ペットのお葬式に真剣に対応してくれる教会は、まだ少ないと思います。しかし、人間と同じ神さまに命を与えられてこの世に生まれたものどうし、いっしょにパートナーとして生きたペットの告別を、きちんとしないというニーズはあることでしょう。いまはまだ真剣に対応してくれる教会は少なそうでも、そういう要望を牧師や神父に告げてゆくことで、そういう必要があるのだということをわかってもらえるようにする、ということは大切だと思います。そうすることで、真剣に対応してくれる牧師や神父たちも出てくることでしょう。
以上、簡単ですが……。
ちなみに、キリスト教式、仏式、神式、全般において、参考になるサイトがありますので、ご紹介しておきます。
↓
日本の一般的な葬儀について
『葬儀情報局』
『お葬式プラザ』
『いい葬儀』
『葬儀安心サポート２４』
〔最終更新日：２００６年１０月８日〕
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