『Inquisition Today /// 現代の異端審問』
三十番地キリスト教会牧師で、日本キリスト教団教務教師である・富田正樹は、2007年1月18日付で日本キリスト教団出版局より、『信じる気持ち はじめてのキリスト教』を上梓いたしました。
ところが、刊行されてからたった2週間後、日本キリスト教団総会議長名の公文書として、「回収、出版停止、廃刊」を求める圧力文書が出版局に送りつけられました。
またその後1ヶ月ほどの間に、3教会の牧師たちから、やはり「廃刊」を求める抗議・署名文書が出版局に出されました。(ほか、1教会の牧師が署名を画策したようですが、うまくいかず出されておりません(笑))
さらにその後、2007年5月3日の日本キリスト教団大阪教区総会において、当初開会礼拝の説教者として予定されていた富田正樹は、総会約2週間前に迫った常置委員会で突然、説教取りやめ・説教者交代が決議され、講壇から引きずりおろされました。
大阪教区常置委員会は、その総会後、新しい陣容で富田に対する謝罪を決議し、すでに富田は公式に大阪教区から謝罪を受けております。また、感謝すべきことですが、『信じる気持ち』は6月15日に再版され、販売は継続されています(ただし、当初「キリスト教入門講座」と書かれていた本の帯は取り払われての販売となっています。これは出版局長の教団議長に対して示した「譲歩」です)。
しかし、富田を説教者にふさわしくないと裁き、その著書『信じる気持ち』に書かれた内容は「キリスト教ではない」と裁いた当人たちは、全く後悔もしていないし、これが言論の自由への弾圧であり、他者の信仰・信条の自由の否定という人権侵害であることがわかっていません。
この展示室は、今回のできごとを題材とし、「現代の異端審問」、「現代の宗教裁判」といってもよい人権侵害の様子を、その文書・議事録によって再現してみようというコーナーです。
これらの資料を公開することで、自分が属する教団の恥をさらすのはしのびないことです。しかし、自分が受けた人権侵害・人間否定の事実に蓋をしめて、なかったことのようにすることにも堪えられません。ですから恥をしのんで、公開します。
その一方でこれらの資料は、「自分が正しい」と思い込んで疑わない宗教者が、どんな愚劣な発言をするのか、ということを知るための恰好の教材であると思います。読み物としてはなかなか面白いものではないかとも思います。
どうぞ楽しんでお読みください。
〔最終更新日:2007年9月23日〕