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仁義なきキリスト教史
 架神恭介 著
 筑摩書房  2014年2月25日
  価格:1,500円 (+税)

 爆笑に次ぐ爆笑。しかし、ちゃんとキリスト教の歴史が頭に入る本
 
 同じ架神恭介さんの作品、『バカダークファンタジーとしての聖書入門』と並んで、超面白いキリスト教史入門です。
 キリスト教を任侠道の1つとし、やくざ達の仁義なき抗争の連続としてイエスから初代教会、パウロ、ローマ帝国、叙任権闘争、十字軍、宗教改革、そしてナチスとの連動にいたるまで、見事に描き切っており、爆笑に次ぐ爆笑。これ以上可笑しなキリスト教史の読み物はないでしょう。
 そして、こうして読んでみると、確かにやくざの抗争物語として辻褄が合って見えてくるから面白いものです。事実、キリスト教の歴史がそれだけ暴力に満ちた血なまぐさいものなのですから、仕方がありません。
 ただ、この本はやくざ抗争の形を借りた小説であり、エンタテインメントです。学問的に無茶苦茶なことを決して書いてはいませんが、面白おかしく読めるように演出は施してあります。
 しかし、それにしてもよく研究して書かれていますから、演出はさておき、小説によるキリスト教史の入門書とは言えそうです。著者自身も後書きに書いていますが、これをきっかけにして、更にキリスト教史の専門書を読んで行けば、さらに理解が深まるでしょう。それくらいよく情報が整理されています。
 そういうわけで、ありきたりな専門的キリスト教書に飽きた人、キリスト教をネタにひと笑いしたい人には、大変オススメです。

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